乱れた後ろ髪を掴んで無理矢理に口内に押し込むと、うぐ、とくぐもった嗚咽が漏れてナルトはその刺激にわずかに背筋を震わせた。薄暗の中でもそうと分かる艶やかな黒髪がパサパサと揺れて、ナルトの太股を熱く掠める。股の間に埋まった丸い頭を押さえつける手にまた少し力がこもった。 「……苦しい?」 サスケはその小さな口で懸命にナルトの性器を咥えこみながら、真っ赤な顔をして目蓋を伏せた。躊躇うように視線を彷徨わせて、それからこくりと頷く。そう、とだけ返してナルトはいっそう優しくサスケの頭を撫でた。てのひらの感触に縋るように頬を赤らめて、サスケは眉を寄せ一心に口淫を続ける。整った顔立ちからふーふーと苦しげに漏れる鼻息はなんとも不釣り合いで、どうしようもなくナルトの興奮を煽った。羞恥に潤んだ瞳、薄く涙の滲んだ目尻。酸素が充分に足りず意識が朦朧としているのか、闇のような瞳はただ熱に蕩け、それがいつもは黙っていればナイフみたいに鋭くて美しいサスケの顔をまるで白痴のように見せている。 その必死さをナルトは笑った。逃がさないように頭を押さえているのは紛れもない、ナルトだ。けれどもサスケはたとえそんなことをしなくたって、ナルトが咥えろと言いさえすれば、怯むように身を固くして、それでも最後には瞳を潤ませ股下に蹲るのだ。拒否などしないことなどわかっている。 (だってこいつにはもう俺しかいないし) 徒に奥のほうを突いてやると、いっそう呼吸が苦しくなったのかサスケは息を乱して小さく呻いた。懸命に酸素を取り込もうとして、けれども失敗しげほげほと噎せ返る。眉間の皺がぐっと深くなって、無意識のうちにサスケはナルトの手から逃れようともがいた。ナルトはそれを許してやらなかった。 「歯、たてるなよ」 声音だけは優しく、けれども有無を言わせぬ手のひらの温度でナルトは継続を促す。再びぐっと力を込めるとサスケは目を見開いて、息を整えようと懸命に肩を上下させた。荒くなった吐息がナルトの性器を包んで、なぜだか笑いだしたくなる。馬鹿みたいだ。あのサスケが、サスケが、男のチンコくわえて必死に息荒げてるなんて。 くっ、と喉を鳴らすとその振動が伝わったのかサスケが視線だけを持ち上げて、けれども目が合う前にそれはすぐに伏せられた。長い睫毛が赤く染まった目尻に影を落として、ナルトはそれを綺麗だとも思ったし、逸らされた夜の海のような瞳が惜しいとも思った。写輪眼の使いすぎで極端に視力が落ちたこいつの眼には今、ほとんどなにも映ってはいない。最近よくナルトから目を逸らすようになったサスケに理由を問い詰めると、(もちろん最初は頑として答えなかったから後ろに玩具突っ込んで散々責め立ててわけ分からなくしてから問い詰めてやった)、お前の顔が見えないと怖い、そう泣きながら漏らしたことがある。ナルトの表情が分からなければ分からないだけ必死になるサスケが滑稽で、ナルトはこの趣味の悪い遊びをやめられない。こいつは常にナルトの機嫌を伺って懸命に性器をしゃぶってそれだけ自分も興奮している。薄い涙の膜は少しずつ目尻に溜まって、今にも決壊しそうに下睫毛の上に輝いている。眼球ごと弾いてやりたいとそんな欲求に駆られて、ナルトは知らず口元を歪ませた。 「あー……きも、ち」 素直に吐息を漏らすとそれだけでサスケの頬に赤みが増して、不慣れな口淫にわずかに熱がこもるのがわかる。こいつは本当にゲンキンな奴だ。ナルトはそんなサスケを愛しくも思ったし哀れだとも思った。こんなふうに俺に愛されて、こいつは本当に可哀想。 「へったくそなのは……っ、相変わらず、だけどさぁ」 「ん、んぅ、……っふ」 「ずいぶん美味そうにしゃぶるよーになったじゃん、サスケくん」 「……んむ、ん、っ」 浅くくわえた唇にわざと外して先走りの溢れる先端を擦りつけてやると、ん、と小さく声を漏らしてサスケは泣きそうに顔を歪めた。独特の臭いに眉を顰めて、逃げるように肩を震わせる。けれどもナルトがそれを許すはずもなくて、ナルトはサスケの頭を掴んだ手のひらでいっそうその顔を性器に押し付けると頬にぐりぐりと先端を擦り付けた。ふぇ、と情けない声。 サスケの顔はもう先走りでベトベトで、潤んだ目尻は今にも涙をこぼしそうだった。今は真っ赤に歪んだお綺麗な顔に、赤黒いチンコ。本当に馬鹿みたいだ。 「……うまいだろ、サスケ。好きだもんな、お前」 「んっ、んぅ、んんっ」 くわえたまま必死に首を振って否定するサスケに結果的に性感を煽られて、ナルトはサスケの口の中のモノをまた少し大きくする。喉を突かれてえずいたサスケはげほげほと噎せて、それでもナルトが少し手のひらに力を込めるとびくりと肩を震わせて口淫を再開した。じわ、とまた目の淵に涙が溜まる。そんなに苦しいのにここまで必死に頑張って、こいつは本当にしゃぶるのが好きなんじゃないかと思った。そんなわけがないのに。けれども熱に蕩けた表情はそこらの商売女よりもよっぽどエロいし、どう見たってスキモノそうだ。顔だけは馬鹿みたいに整っているから、あのサスケが自分のために顔を歪めて息を荒げている姿というのは本当に興奮するし絵になる。チンコくわえている姿が絵になるって男としてそれはどうかと思うけど、だって本当にサスケの頬は上気しているし顰められた眉は逆にエロいし、ともすれば悦んでいるように見えなくもないのだ。あくまで見えるだけ。 「……んと、こーしてんのがお似合いだってばよ、サスケ」 それでも意地悪く唇を歪めて言ってやると、ぼろ、と一粒サスケの目尻から涙が零れ落ちた。それを皮切りにして、あれよあれよとサスケは泣き始める。ぽろぽろと大粒の涙を溢し続ける姿にいっそう嗜虐心を煽られて、ナルトは逃がさないように後頭部を押さえ付けると無理矢理に喉奥を突いた。泣き顔に興奮してる俺はよっぽどのヘンタイだけれども、それなら顔を真っ赤にしてチンコをくわえてるサスケだってかなりのヘンタイだ。泣きじゃくるサスケに容赦もせずに、ぐちゃぐちゃになった顔を赤黒い肉棒で犯す。苦しげに漏れる嗚咽が哀れ。 あぁどうして俺達はこうなっちまったんだろうと思った。その昔まだサスケが綺麗だった頃、俺とサスケはライバルだった。ライバルで、同じ班の仲間で、友達だった。いつしか立派な上忍になって背中合わせで闘うなんて、そんな輝かしい未来を夢見ていた。こんなふうに、こんなふうになるはずじゃなかったのに。 里に連れ戻されて牢に繋がれたサスケはやっぱり綺麗なままで、それでもその身体は、精神はひとりじゃ真っ直ぐ立っていられないほどもう明らかにぼろぼろだった。だのにそれを隠すように矜恃ばっか馬鹿みたいに高くていつまでも俺にも木の葉にも屈しようとはしなかったから、だから俺は火影としてサスケの身柄を預かり、火影邸の一部屋に特別に作らせた牢に移してサスケを汚してやった。このお綺麗な身体を犯して全身精液まみれにして、そしたらなにか救われるかと思った。けれども初めてサスケの体内に精液を吐き出した時ナルトを襲ったのは、初恋の相手を犯した奇妙な高揚、ただそれだけで、それすらも全身を巣食うように襲ったどうしようもない絶望には敵わなかった。 俺は昔っからサスケのことを馬鹿みたいに神聖視してて、だからあの格好良かったサスケが、憧れだったサスケが、こんなふうに男に抱かれて喘ぐところなんか本当は見たくなかった。けれどもサスケへの汚い感情はどうしても抑えられなくて、どうせ一生牢に繋がれたまま二度と一緒に笑い合うことができないならいっそ傍で囲って自分と同じ所まで堕としてしまえばいい、とそう思った。サスケは孤独で高潔で綺麗だけども、人間なのだ。本当は淋しいし苦しみ藻掻いているし優しくされたいし、即物的な刺激を与えてやれば快楽にだって溺れる。もうお前はひとりなんだぜ。里の奴らはお前を憎んでいるしお前には俺しかいないんだ。そう毒のように囁きながら体内を揺さぶり続ければサスケを堕とすのはあまりに簡単だった。今やもうサスケは誰よりも快楽に敏感だし怯えやすくなったしナルトの命令にはどんな屈辱的なものでも従うようになった。ついでに涙脆くもなった。昔のサスケならあり得なかったことだ。 逆らわなくなったのが分かってからは牢からは出すようになって、昼間は邸内で普通の生活を送らせるようになった。つまりは事実上の軟禁状態だ。簡単なデスクワークはさせるようにして、昼間の俺達は会話も行動もいたって普通、一見すれば昔に戻ったみたいだけれどもそれでもあの頃とは決定的になにかが違っているのだ。 あんなふうに笑い合えたことなんてもう夢のまた夢。 段々と余裕がなくなってきて、ナルトはサスケの頭を掴むと無理矢理前後に揺さぶった。サスケが苦しさにまたぼろぼろと涙を零す。限界が近くて、出る、と呟くとサスケは身構えたように身体を強張らせて飲み干す準備をした。上手く飲み込めなかった時どんな仕打ちを受けたかちゃんと覚えているんだろう。白く上下する喉仏に嗜虐心を煽られて、同時に慣れきったようなサスケの反応に理不尽な不快感を覚える。 ふと思い立って、射精の瞬間ナルトはサスケの髪をぐいと引っ掴みその顔を後ろに仰け反らせた。じゅぽんと下品な音を立ててサスケの口内から性器が出て、次の瞬間飛び散った白濁はサスケの顔一面に降り掛かる。半開きの唇にも真っ赤な頬にも髪の毛にも青臭い精液が掛かって、予告なしの顔射にサスケは一瞬なにが起こったか分からなかったかのように目を見開いた。それからびくびくと身体を跳ねさせて、顔中を汚した精液のべたつきにまた情けなく顔を歪める。拭おうとしたサスケの手首をナルトは掴み、萎えた性器を唇や頬に無理矢理擦り付けて先端に残った精液を拭った。涙と精液でもうサスケの顔はぐちゃぐちゃで、その上押し当てられているのは汚いチンコ。肩で息をして蕩けた表情で、真っ赤になって目を伏せるサスケの顔はそりゃもうひどいものだった。上気した頬が淫猥そのもの。これが、顔面を白濁で汚したこれがあのうちはサスケなんて、興奮と絶望と背徳感がない交ぜになって笑えるような泣きたいような変な気持ちになる。でも精液まみれだってやっぱりサスケは綺麗だった。 射精の瞬間に跳ねた身体が気になってサスケの下腹部に視線を落としてみると、案の定。あれー、とわざとらしく揶揄するような声を出して、ナルトは白い着物の上からサスケの下半身を踏みつける。ぐりぐりと脚を動かすと恥ずかしい染みが着物に広がって、あ、とサスケは声を漏らした。 「顔射されてイっちゃったの?サスケ」 おれのチンコしゃぶって感じてたんだー、インラン。笑いながら罵ってまたぐり、と踏みつけと、感じきったようにびくびくと身体を震わせたサスケは真っ赤になって視線を彷徨わせた。ごめんなさい、と弱々しい呟き。怯えるように揺れた、けれども濡れきった瞳が懇願するようにナルトを見上げる。いいよ、と笑ってナルトはサスケの頭を撫でた。手を徐々に下ろしていって精液まみれの頬も撫でる。両手で包むようにして白濁を塗り広げて、ナルトは萎えた性器を再びサスケの唇に押し付けた。 「じゃあ今度は上手に飲もうな、サスケ」 落日
(110427) やっちゃったー!わたしだけが楽しくてすみません…
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